九州大学(福岡)は、2018年春に「共創学部」を新設する。学問分野に対応したこれまでの学部と異なり、文系・理系の枠を超えて環境問題や宗教・民族対立といった地球規模の問題に取り組む人材を育てる。英語教育や留学に力を入れるほか、チームで学ぶ学習も特徴という。(西健太郎)
50年ぶりに新設
九州大が学部を新設するのは約50年ぶり。定員は105人。政治学、言語学、考古学、認知科学、地球化学など、幅広い分野の教員が授業を担当する。
共創学部は、課題解決力を付けることを重視する。入学者は、教養教育として大学全体で実施している、学部を超えて課題解決学習に取り組む科目を受け、学部独自の授業では「人間・生命」「人と社会」「国家と地域」「地球・環境」といった分野の基礎を学んだ上で、グループ討論やチームで取り組む協働学習に取り組む。
卒業研究は、自ら決めた課題に2つの学問からアプローチする。高齢社会の課題について、政治学と社会学を組み合わせて研究する、といった具合だ。
全学生が海外留学
英語教育に力を入れ、英語で専門の内容を学ぶ授業も設ける。海外からの留学生と共に学ぶのも特徴だ。海外留学は全員にしてもらう。期間や行き先は、各学生が関心や学習計画に応じて決める。
新学部の準備を進める鏑木政彦教授は「現代の地球規模の課題は、1つの学問だけでは解決できません。共創学部は、問題・関心に応じて広く学ぶことができます。いろんなタイプの学生が集い、共にプロジェクト学習に取り組めるのも魅力です」と話す。
入試は4方式
多様な学生を集めようと、4つの方式で入試を行う。一般入試(65人募集、前期日程のみ)は、センター試験、個別学力試験(数学・英語・小論文)を課し、調査書、志望理由書を加えて総合的に選抜する。推薦入試(10人募集、11月13~17日出願)は、志望理由書や活動歴報告書など書類による1次選抜の合格者に、プレゼンテーション、面接、センター試験(国・数・英)を課す。
AO入試(20人募集、初年度の出願受け付けは終了)と帰国生対象の国際型入試(10人)も行う。
カリキュラムや入試の詳細は公式サイトを参照。