世界の高校生が数学の難問を解いて競う第58回国際数学オリンピック(IMO、国際数学五輪)が7月12日からブラジルで開催され、日本代表として高校生6人が参加。金・銀・銅のメダルをそれぞれ2人ずつが獲得し、5年連続で代表全員がメダルに輝いた。金メダルの髙谷悠太君(東京・開成高校3年)は2015年の銀、16年の金に続き3年連続のメダル獲得となり、今大会は世界1位(他に2人が同得点)の快挙。国別順位で日本は6位に入った。文部科学省と数学オリンピック財団が7月22日、発表した。
世界111カ国・地域から参加
国際数学オリンピックは、世界各地から数学の才能のある若者を見つけ、チャンスを与えるのが狙い。20歳未満で大学教育を受けていないことが参加要件で各国6人まで出場できる。今大会には111カ国・地域から615人が参加。6問の筆記試験に、1日4時間半ずつ2日間にわたり取り組んだ。メダルが与えられる人数はおおむね、金メダルは合計得点の上位約8%、銀メダルは続く約17%、銅メダルは続く約25%。
日本代表は金2、銀2、銅2
髙谷君と黒田直樹君(兵庫・灘高校2年)が金メダルを獲得。窪田壮児君(東京・筑波大学附属駒場高校3年)と神田秀峰君(愛知・海陽中等教育学校6年=高校3年相当)が銀メダルを、岡田展幸君(広島大学附属福山高校3年)と清原大慈君(筑波大学附属駒場高校2年)が銅メダルを獲得した。
髙谷君「数学は試行錯誤が面白い」
日本選手が世界1位となるのは8年ぶり4人目。髙谷君は国際数学オリンピックで3つ目のメダルとなったのに加え、国際情報オリンピックでも昨年まで3年連続で金メダルを獲得しており、今年も出場予定だ。昨年の大会後の高校生新聞の取材に「数学には解答を導くパターンがたくさんある。新しい問題に出合うたび、どう解こうかと試行錯誤する過程が面白い」と数学の魅力を話していた。
国別では6位、1位は韓国
国別順位は各国参加者の合計得点による。1位は韓国、2位中国、3位ベトナム、4位米国、5位イランだった。6位の日本は昨年(10位)より順位を上げた。09年の2位、14年の5位に続く好成績となった(07年も6位)。
日本代表は、国内大会・日本数学オリンピック(JMO)によって選ばれた。来年の国際数学オリンピックはルーマニアで開催される予定。