世界の高校生が化学の実力を競う「第49回国際化学オリンピック」(国際化学五輪)が7月6日からタイのナコンパトムで行われ、14日に閉会式が開かれた。大会には、日本から4人が参加。坂部圭哉君(愛知・海陽中等教育学校6年=高校3年相当)が2年連続で金メダルに輝き、3人が銀メダルを獲得した。日本代表が金メダルをとるのは4年連続。代表全員がメダルを獲得するのは14年連続。
世界76カ国・地域から297人が参加
国際化学オリンピックは、高校などに在学する20歳未満の生徒が対象。今回は、76カ国・地域から297人が参加し、実験、理論の問題に挑み、参加者同士国を越えた交流も深めた。金メダルは参加者の約1割に、銀メダルは約2割に、銅メダルは約3割に与えられる。日本は2003年から毎年代表生徒4人を派遣している。
海士部君は2年連続「銀」
今回、銀メダルを獲得したのは、海士部佑紀君(兵庫・灘高校3年)、守田脩究(しゅく)君(岡山県立岡山朝日高校3年)、柳生健成君(愛知県立岡崎高校3年)の3人。海士部君は昨年に続く2度目の銀メダル。
金メダルの坂部君は、昨年の国際地学オリンピックでも金メダルを獲得しており、国際科学オリンピックでの通算3つめの金メダルとなった。坂部君は昨年の「科学の甲子園」の優勝メンバーでもある。昨年の化学オリンピック後の取材に「科学全体が面白い。それぞれの分野が独立しているのではなく、化学の現象が物理法則の結果だったり、物理の式変形が数学の結果だったりする。全体を学ぶことで根底が見えてくる」と話していた。
日本代表は、昨年夏の国内大会「化学グランプリ」の成績優秀者などから代表候補が選ばれ、選抜を経て決まった。
2021年の第53回国際化学オリンピックは日本で開催される。