部室棟に瞬彩の文字が浮かぶ(学校提供)

大阪・大阪教育大学附属高校天王寺校舎の「附高祭」(9月1~3日)で、小林萌夏さん(2年)と荊木拓君(2年)がプロジェクションマッピングに挑戦した。約5分間、音楽に乗せて部室棟に動画を投影。文化祭のテーマである「瞬彩」の世界を表現した。(野村麻里子)

先輩の志継ぎ企画

プロジェクションマッピングを題材に研究していた昨年の3年生が始めた企画で、今回で2回目。小林さんと荊木君が先輩の志を受け継いだ。先輩を含めた3人は中学時代に同じ映像部に所属していた。その縁で荊木君が小林さんに声を掛け、今年も企画することになったという。

昨年は広い体育館の壁に映し出したため、光の量が足りずにきれいに映し出せなかった。「もっと狭い場所に投影するほうがよい」と先輩からアドバイスを受けて、体育館より狭い部室棟を選んだ。

目が離せない動画づくり

小林さんは動画作成を担当した。夏休みの空き時間を利用しながら、フリーソフトを使ってイメージを動画にしていったという。「こだわったのは瞬時に色が変わったり、動きが変わったりして、目が離せない動画にしたこと」だと明かしてくれた。窓が点滅するなど、建物の特性を利用した仕掛けも取り入れた。

荊木君は先輩が作ったプログラムソフトを使って、建物に動画がぴったりと投影されるように位置を合わせる調整を行った。位置あわせはプロジェクションマッピングの肝で、少しでもずれると、キレイに見えないという。学校から特別に許可を得て、夜にリハーサルを何度も行った。

恒例イベントにしたい

当日は友人の協力を得ながら準備した。在校生に「文化祭を作り上げていこう!」と気持ちを盛り上げてほしいという思いを込めて本番に臨んだ。「瞬彩」の文字が浮かび上がると会場はひときわ盛り上がったという。小林さんは「1年生からやってみたいと言われた。附高祭のイベントとして受け継がれるようになったらいいな」と話した。