全国高校総体(インターハイ)陸上の女子七種競技が2019年8月6、7日に沖縄県沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで行われ、前回10位の田中友梨(愛知・至学館3年)が高校歴代4位となる5346点をマークし、初優勝を飾った。(文・小野哲史、写真・幡原裕治)

「半日で11本」冷静に乗り切る

インターハイ陸上女子七種競技で優勝した田中友梨

初日1種目目の100メートル障害で、追い風2.1メートルの参考記録ながら、大幅な自己ベスト更新。これで勢いに乗った。「顧問の先生から『混成はハードルがうまく行けば、他もうまく行く。だからハードルは大事にしなさい』と言われていたので、気合いを入れて臨みました」と田中は振り返る。続く走り高跳び、砲丸投げ、200メートルでも自己新を叩き出し、この段階で3000点超えの3001点。6位で1日目を終えた。

問題は2日目だった。田中は7日に行われる女子やり投げにも優勝候補として出場しており、午前10時から走り幅跳びを終えると、半日で11本を投げるという「やり投げの過密スケジュール」が待っていた。12時20分頃からの個人の予選、14時からの七種競技のやり投げ、17時から個人の決勝。ただ、そうなることはあらかじめわかっていたため、「予選、七種、決勝をそれぞれ区切って考えていました」と田中は冷静だった。「予選はなるべく体力を温存して、1本集中でできるだけ少ない本数で通過する。七種のやりは自分が一番点数を取れる種目なので、ここでみんなに差をつける。そして決勝はリラックスして投げることを意識しました」