全国高校総体(インターハイ)陸上の女子走り高跳び決勝が2019年8月4日に沖縄県沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで行われ、蓑輪夢未(福井・北陸3年)がただ一人、1メートル76を成功させて初優勝。全国中学生体育大会2連覇以来となる世代別の「日本一」に輝いた。(文・小野哲史、写真・幡原裕治)

インターハイ陸上女子走り高跳びで優勝した蓑輪夢未

けがで記録伸びず「やめたくなったことも」

全中連覇という実績を背負い、2年前の春、大きな期待を背負って高校に入学した。1年次は県総体で1メートル76の県新記録をマークし、インターハイは6位入賞。翌2018年秋に控えた地元での国体へ向けても順調に実績を積んでいた。しかし、そのシーズンを終えた冬から足首の故障に悩まされてしまう。「かばいながら練習していましたが、だんだんひどくなってしまって…。踏み切るだけでも痛いという状態が春まで続きました」

その影響で2年次のインターハイ路線は、北信越大会で敗退。1メートル58という低調な記録に終わるなど、箕輪は「記録が伸びなかったので、陸上をやめたくなったこともあった」ことを明かす。

それでも競技をやめずに続けてこられたのは、顧問の吉田良一先生をはじめ、多くの人たちの支えがあったからだ。「吉田先生はいろいろな治療院に連れて行ってくれただけでなく、日本女子体育大学に2カ月おきぐらいに一緒に行っていただき、そこでは(走り高跳び元日本記録保持者の)吉田孝久先生から足首に負担がかからないような助走練習を教えていただきました」