新しい環境での出会いが増えるこの時期、友達関係のことで悩んだら、どう考えて対処していけば良いのだろうか。「認知行動療法」の専門家である千葉大学大学院医学研究院の清水栄司教授に聞いた。(安永美穂)

Q.  自分は内向的なので、社交的で明るい友人がうらやましいです。自分を変えることはできますか?

A.  内向的な人ならではの素晴らしさにも目を向けよう。

 

現代社会ではコミュニケーション能力が高く社交的であることを良しとする風潮があるかもしれませんが、よくしゃべる人が「軽そうな人」という印象を持たれることもありますし、口数は少なくてもよく考えてから鋭い発言をする人が「あの人の言うことなら信頼できる」と一目置かれることもあります。

世の中の流行に左右されずに、自分の感覚を大切にしながら新しいものや価値観を生み出すことができるなど、内向的な人ならではの素晴らしさにも目を向けてみてください。

自分にないものをうらやましく思うのは人としてごく自然な感情ですが、無理に自分を変えようとするのではなく、社交的な人には社交的な人ならではの良さがあり、内向的な自分には内向的な自分ならではの良さがあるのだと考えてみることをおすすめします。

 
清水栄司教授
しみず・えいじ 千葉大学大学院医学研究院認知行動生理学教授。精神科医として、主に不安症やうつ病などの治療を担当。『ぐるぐる考えてしまう心のクセのなおし方』(大和書房、税抜1400円)など著書多数