全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)が2月に発表した「第58回学生生活実態調査」では、1日の読書時間が「0分」という大学生が半数近くに上った。高校時代に読書をしていない人の多くが大学に入っても本を読まない傾向にあるという。
大学生の26.7%は1日60分以上読書
調査は、2018年秋に行われ、30大学の10980人の回答を集計した。読書時間の平均は1日30.0分で、前年の調査より6.4分増えた。48%の人が読書時間「0分」だった一方で、読書時間が60分以上の人が26.7%いる。読書をする人としない人で分かれているのが現状だ。0分の人を除いた平均時間は、60.3分だった。
書籍に使うお金は月に2000円未満
1か月に書籍に使うお金は、自宅生が1540円、下宿生が1710円。前年よりは増えているが2010年には自宅生・下宿生とも2000円を超えており、減少傾向といえる。
読書時間ゼロの高校生は31%
今回の調査では、大学入学以前の読書時間も質問した。小学校高学年で読書を全くしなかった人は16.4%にとどまるが、中学校時代は20.9%が、高校時代は31.0%が全く読書をしなかった。一方、小学校高学年では54.1%が1日に30分以上読書をしていたが、高校時代に30分以上読書をしていたのは33%に減る。小学校の高学年が読書時間のピークで、中学、高校と読まない人が増えていることが分かる。高校時代に全く読書をしなかった人の72.7%が大学生になっても読書をしていない。
大学に入り優先順位下がる?
高校生に比べて大学生のほうが読書をしない人の割合が高いことについて、全国大学生協連の副学生委員長を務める田中利佳さんは「読書をしたいと普段思っていても時間がなくてできない人もいる。サークルなど取り組むことが増えて、読書の優先順位が下がる人がいるのかもしれない。移動時間に(本を読まずに)スマホを触ってしまう人もいる」と話した。