国立大学協会は1月23日の総会で、入試の解答例などの公表に関する方針を決めた。昨年、前年の入試の出題ミスや採点ミスが相次いで判明したことを受け、試験問題や正解・解答例を公表することを原則とした。
方針は、文部科学省が出した大学入試の実施要項に沿った内容。試験問題については著作物の権利処理が困難な場合をのぞき、公表することを原則とするとした。
正解や解答例についても、公正な入試を求める社会の要請にこたえることや、受験生が学習の参考にできるように公表することを原則とした。一方で、「一義的な解答が示せない記述式の問題」などについては原則として出題の意図や複数あるいは標準的な解答例を公表することとした。
仮に出題・採点ミスがあっても受験者が不利益を被らないように、問題や正解などは「試験実施後速やかに公表することが望ましい」としている。
国大協入試委員長の岡正朗・山口大学長は「(全大学が)この方針を参考に対応すると思う」との考えを示した一方で、AO入試や面接試験などでは「困難な場合もある」と話した。国大協会長の山極壽一・京都大学総長も、数学の記述式問題など解答のプロセスを評価する問題については「採点の考え方を示せば十分」との考えを示した。