百人一首かるたは、上の句を読み上げる「読み手」がいないと試合ができない。久保真花さん(福岡・福岡高校3年)は、今年の第42回全国高校総合文化祭(2018信州総文祭)小倉百人一首かるた部門の「読手コンクール」で、最優秀賞を受賞した。普段の練習方法や百人一首に対する思いなどを聞いた。
(文・写真 吉永恵子)
きっかけは「ちはやふる」
人気漫画「ちはやふる」で競技かるたの魅力を知り、高校生になってから始めた。「初めは選手として札を取っていたんですけれど、あまり得意でなくて。2年生の夏に後輩から、読み手コンクールに一緒に応募しないかと誘われたのをきっかけに読みを始めました。今は選手も読み手もやっています」
練習では、自分の読みを携帯電話で録音している。発声した音の高さや上の句を読み切る秒数、安定して読めているかなどをチェックしているという。録音した読みを流して、自分で実際に札を取ってみることもある。
選手が取りやすい発声を
試合形式の練習の際に人前で読んだ後は、選手に聞きにくかったところはないか、アドバイスをもらっている。「例えば、その音を聞くと取り札が分かる『決まり字』というのがあるのですが、読み手の発音が悪いとお手付きになってしまうこともあります。決まり字が『ほ』なら、最初の『h』がはっきり聞こえるよう注意しています。選手がいかに取りやすいように読むかを常に考えています」
かるたの魅力は、老若男女どんな人でも楽しめること。「1000年前の人が詠んだ歌で競技ができるなんて、とてもすてきだなと思います」
誰でも楽しめるのが魅力
好きな歌は藤原清輔朝臣の「永らへば またこの頃や しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき」。意味は「長生きをすれば、昔つらいと思っていたことも、今となってはいい思い出となる」という歌だ。久保さんは「自分も年を取ったら、そういうふうな心境になるのだろうか」と思いをはせている。
【小説が好き】
――趣味は?
読書です。小説をよく読みます、好きな作家は村山早紀さん、上橋菜穂子さん、加納朋子さんなどです。
――将来の夢は?
図書館の司書を目指しています。