防災かるたについて発表した生徒たち(3月24日、関西学院大学、SGH甲子園ポスター発表で)

水口東高校(滋賀)は、定住外国人の多い地域にある。SGHのクラブ活動をしている10人は「災害時に外国人が情報を理解できなかった」と聞いた。そこで小学3年生の教科書で使用されるレベルの「やさしい日本語」を使えば、災害時により素早く外国人に情報を伝達できるのではないかと考え、オリジナルの防災かるたを作った。

外国人に伝わる表現工夫

五十音の読み札の文と絵柄を考えた。例えば「て」の札は「てーぶるの したにかくれて みをまもる」の文で表現。絵は、得意なメンバーが分担して描いた。

国際交流イベントで外国人に遊んでもらうと、意味が伝わりにくい表現が多数あると分かった。「絵が分かりにくい」「小さい『や』『ゆ』『よ』(拗ようおん音)や『つ』『ツ』(促音)は大きい文字と区別できない」「(五七五のリズムの文は)シンプルにした方がいい」などの指摘があった。そこで絵札は輪郭線を太く濃く描き、文章は「しちゃいけない」を「しない」に変更したり、五七五にこだわらずに表現を簡略化するなど改良を加えた。

「『やさしい日本語』を使えば幼い子どもや高齢の方も理解できる。国籍や年齢を問わず、多様な人々が共生する豊かな地域社会を築くのに有効だと思う」(部長の中西徳昭君・2年)  (木和田志乃)=学年は取材時