東京工業大学附属科学技術高校の加藤萌花さん(2年)、樋口れみさん(2年)、小川咲希さん(1年)は昨年の夏休み、SGHの研修でフィリピンを訪れ、手を洗う習慣がないなど現地の不衛生な環境を目の当たりにした。そこで、古くなったせっけんを溶かし、フィリピンの特産品パパイアの皮を混ぜてリサイクルしたせっけんを配布するプロジェクトを発案。現地の高校生たちに伝えると「使ってみたい」と前向きな返事を得た。
自校で回収しリサイクル
帰国後、実現できるか検証した。当初は、ホテルからせっけんを回収し、作り替えた固形せっけんを自分たちでスラムに届けるサイクルを考えていた。
しかし、ホテルでは液体せっけんを使っているケースがあり、自分たちで回収する負担も大きすぎる。固形せっけんを溶かして再び固めるのも難しい。そのため、同校生徒の家庭で使わないせっけんを集めて、新たに液体せっけんを製造。使用マニュアルと合わせてフィリピンに送り、現地の高校生の協力を得て広めることにした。全校生徒から回収すれば、フィリピンの18校に送れる計算だ。バザーなどで液体せっけんを販売して資金を調達し、将来はせっけんの回収から製造、配布までフィリピン国内で行うことを目指す。(木和田志乃)=学年は取材時