“マッスルスーツ” 介護の重労働を軽減

東京理科大学などが開発した「マッスルスーツ」は、人間が装着するタイプのロボットだ。空気で膨らんだり縮んだりするチューブで作られた人工筋肉が搭載されていて、重たい物を持ち上げる際に腰への負担を軽くしてくれる。リュックサックを背負うようにし
て、簡単に装着できる。

同大と共同開発したアサヒサンクリーン株式会社は、訪問入浴の介護サービスを行っている。職員は、3人がかりで寝たきりの利用者をベッドから持ち上げ、浴槽に運ぶ。時に100㌔近い体重がある利用者を持ち上げることもあるなど重労働で、特に腰への負担が大
きいという。同社の吉田正明さんは「腰を痛めて退職をしてしまう職員が多い」と話す。

スーツを導入すると、腰の負担が軽減され、職員から楽になったという声が上がった。「介護の仕事は大変、きついというイメージがあるが、ロボットがサポートしてくれる。広くマッスルスーツの存在を知ってほしい」(吉田さん)

腰への負担を軽くするマッスルスーツ。口にくわえた筒へ息を吹き込むと稼働する仕組み