栃木県の高校に通いながら芸能活動に励む高校3年生の井上咲楽さん。情報バラエティー番組「ワイドナショー」への出演オーディション落選をきっかけに、新聞スクラップを始めて、自らの見識を広めたという。話題の時事ニュースに関心を持つようになった自身の成長や普段の学校生活を聞いた。(中田宗孝)
学校では一人で行動するタイプ
――学校での普段の様子を教えてください。
結構、一人で行動するタイプかもしれません。いつも特定の友達と一緒にいるとかではなくて、違うクラスとの同級生とも交流しています。中学生の頃は「ぼっち」になると思って、何をするにも誰かと一緒じゃないと不安だったのですが、高校生になってから自然とそれもなくなりました。
――好きな授業は?
家庭科です。特に調理実習! 友達同士でわいわい作るのが楽しくて(笑)
卒業までに肉じゃがコロッケ食べたい
――3月で高校卒業。3年間の高校生活はどうでしたか?
友達と何カ月もケンカしていたときもあったし、学業と芸能活動の両立が大変で先生に支えられた時期もあって、とにかく一日一日が濃かったですね。今思えば、毎日本当に楽しかったです。
――高校生活に悔いはなし?
……あります(笑)。私、学校の購買を全然使ってないんです。友達が購買でご飯を買っていても、なぜか私は買わずに我慢したりとか。(お金に)ケチなんです(苦笑)。でも購買で販売してる肉じゃがコロッケとか、美味しそうなものを卒業までに絶対食べたい!
コメンテーターに初挑戦 批判されても落ち込まない
――「ワイドナショー」に高校生コメンテーターとして出演中ですね。心掛けていることは?
自分が発言したコメントに対して賛成の人もいるし、反対の人もいる。いろんな意見があることを自覚して、収録に臨むようにしています。私の意見が視聴者の方に批判されたとしても、なるべく落ち込まず、自分の発言にはきちんと責任を持ちます。自分のコメントが良くなかったと思えば、「次に活かそう!」と、心の中で気持ちを切り替えています。
――番組では共演者の方から意見を突然求められることも?
あります。出演当初は、自分の意見を求められたらどう答えようか、収録前に色々練っていたんです。発言しようと思ったことを事前に紙に書いて一語一句、セリフのように覚えていたこともありました。
でも収録本番では、考えてきた発言どおり喋ってしまうと、会話の流れを止めてしまうなと反射的に感じます。ですので、その場で思ったことを発言する方が多いんです(苦笑)。今は、これだけは伝えたいと思ったことだけ頭に入れて、出演者のみなさんとコミュニケーションをとることを大事にしています。
新聞スクラップで変わった私
――自分の意見を伝えるための準備として新聞のスクラップに取り組んでいるそうですね。
はい。実は「ワイドナショー」のオーディションを2回受けているんです。初めて受けたときに落ちたことが悔しくて、ニュース番組を意識して見るようになり、新聞のスクラップも始めました。実家では新聞をとっていないので、近所のおばあちゃんの家で下野新聞(栃木県の地方新聞)をスクラップしています。
――どんな新聞記事をスクラップするのですか?
11歳で結婚した海外の少女の話題や、北朝鮮の脱北した少女の話など、自分の興味や関心を抱いた記事をスクラップしています。
取材ノートを作成 ニュースを掘り下げて調べる
――何か工夫していることは?
スクラップした記事の空いたスペースに、読んだ感想を書き留めることもあります。記事の内容だけでは深い部分まで理解できないことがあるので、そんな時はニュースに詳しい大人の方々に、より詳しい内容を補足で聞いて、取材ノートにまとめています。
――新聞スクラップの良いところは?
話題になった過去の出来事を調べようと思った時にすぐに見返せるのがいいですね。スクラップした時にまとめた自分の考えを振り返られるし、頭の中を整えるのにも役立ちます。
――新聞のスクラップを始めてから自分が変わったと思うことはありますか?
以前は、社会的に注目されている政治や時事問題よりも、芸能系のニュースしか興味なかったのが正直なところです……。ですが、今は携帯電話にニュースアプリを入れて、多く読まれた記事をチェックするようになりました。
情報を得るだけではなく、例えば、奨学金の無償化の問題に対して、「財源はどこなの?」「増税しないと公約に掲げる政党があるけど、どこから財源を出すんだろう」って、具体的に考えるようになりました。
いのうえ・さくら 1999年10月2日生まれ、栃木県出身。2015年、「第40回ホリプロタレントスカウトキャラバン #kawaii」 でソフトバンク賞を受賞し、芸能界デビュー。現在、情報バラエティー番組「ワイドナショー」(フジテレビ系)、子供向けバラエティー番組「おはスタ」(テレビ東京)に出演中。