10年後になくなるかもしれない仕事、今後必要とされる仕事は何だろう──。東京・品川女子学院で「未来の名刺」を作る特別講座が行われた。同校の中高生41人が10年後の働いている自分を想像し、肩書を考えた。(文・写真 野村麻里子)
10年後活躍するには
「28歳の名刺をデザインしよう!」は、1回90分、全3回の講座で、デザイン会社・たき工房の藤井賢二さんが講師を担当。中学1年から高校2年までの希望者が参加した。
初めに、現在ある職種や、機械に代替されるなど将来なくなる可能性が高い仕事について学んだ。藤井さんは「今後は、高度な専門性を備えている人材や、独自性が高く希少な人材が求められる」とアドバイス。生徒たちは、なりたい職業を軸にして、どんな専門性や希少性を掛け合わせると未来の世界で活躍できるか、グループワークなどを通して考えた。
名刺はグラフィックデザインソフトの「Illustrator」を使ってデザインした。肩書やキャッチフレーズ、人によっては写真やイラストなども載せた。最終回では完成品を使い、生徒同士で名刺交換を行った。
職業を掛け合わせ
櫻井香乃さん(高校1年)が考えた仕事は「研究者×写真家」。名刺の裏面にはT2ファージ(ウイルス)のイラストと共に「ミクロの世界をトります」のキャッチコピーをあしらった。研究職に興味がある櫻井さんは「研究内容を写真でいろんな人に伝えたい」という。「顕微鏡でしか見えない菌類など、ミクロの世界の写真を撮りたい」
昔のヨーロッパの建物や菓子が好きという齋藤杏那さん(高校1年)の肩書は「建築士×パティシエ」で「建てるを食べる。」がキャッチコピーだ。「(建築士の設計力で)複雑な形のお菓子を作りたい」
ほかにも宇宙空間で建築をする「宇宙空間建築士」や「臨床心理士×絵本作家」など、多彩な肩書が上がっていた。
- 【生徒が考えた、2つの仕事を掛け合わせた「未来の仕事」(一部抜粋)】
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・ジャーナリスト×冒険家
・弁護士×記者
・刑事×通訳
・書店員×編集者
・映画編集者×YouTuber
・生物学者×ベビーシッター
・公認会計士×芸人
・食品開発技術職×栄養士 など