運動不足の高校生のための 筋力トレーニング講座

東海大学スポーツ医科学研究所教授
 有賀誠司先生

第1回 腕立て伏せ

体育の授業以外で運動する習慣がない。勉強ばかりで運動不足を感じている。そんな高校生に今月から簡単に筋力を付けられるトレーニングを紹介します。

筋肉が衰えて細くなると、やがて歩くことさえ面倒になり、休日は外出せずに家の中にこもってしまうなど、あまり動かない生活に拍車がかかってしまいます。体力がさらに低下する悪循環に陥らないためにも、筋トレで筋力アップに努めましょう。

第1回では上半身の代表的な種目として腕立て伏せを取り上げます。胸、肩、腕の筋肉をバランスよく鍛える標準的なやり方を紹介しますが、回数を多くやろうとしないことがポイントです。正確な動作で10回前後できる負荷で挑戦してください。  (構成・小野哲史)

 

親指を内側に親指は内側に向けておく。これにより、体を下ろした時に肘が外側を向き、胸の筋肉を鍛えやすくなる
手の幅肩幅に開いた両手を前に伸ばし、手のひらを正面に向けた状態から、両手を手のひら2つ分ほど外側に置く。肩幅が狭いと、上腕三頭筋(上腕の後ろ側)への負荷が大きくなり、胸の筋肉への負荷が小さくなる

 

 

腕・肩・胸をバランスよく

 

横から見て、耳→肩→腰→膝→外くるぶしの5点を結ぶラインが一直線になるような姿勢をとる

 

肩甲骨を内側に閉じながら肘を曲げ、胸と床の距離がこぶし1つ分くらいになる所までゆっくりと体を下ろす。肘は脇の下の真横あたりに来るように

 

 

できない場合

 

負荷をさらに減らす

 

 できない場合やきつい場合は、膝を床につけてもOK。膝を前にスライドさせるほど負荷が小さくなり、後ろにスライドさせるほど負荷が大きくなる

【動作のポイント】
3秒で下ろして3秒で上げる。一定速度をキープするように心掛けよう。体を下ろす時に息を吸い、上げる時に息を吐く
 

 

動画でチェックしよう!

 

【あるが・せいじ】1962年、東京都生まれ。東海大学スポーツ医科学研究所教授。筋力トレーニングに関する研究を行うとともに、多くのアスリートのトレーニング指導に携わる。著書に「基礎から学ぶ!筋力トレーニング」(ベースボールマガジン社)など多数。