女優の黒島結菜さんは、映画やドラマの話題作に出演を重ね、人気急上昇中だ。現役大学生としての顔も持ち、写真学科で撮影技法を身につけて腕を上げているという。高校卒業後の進路選びはどう決めたのか、教えてもらった。(文・中田宗孝、撮影・玉井幹郎)
フィルム写真にほれ込み
高校時代、卒業後の進路を女優の仕事一本にするか、仕事を続けながら大学に進学するかで迷った。そんな時、「芸能界とは違う世界も知った方がいいよ」という言葉を受け、大学進学を決意。現在、写真学科で学んでいる。「同年代の新たな友人との交流も生まれ、仕事場以外の〝大切な居場所〟になりました」
写真学科を選んだのは、高校生のころにフィルムカメラをもらい、フィルム写真独特の色味が好きになり、写真に興味を持ったため。大学の授業で特殊な撮影技法を習得し、写真の腕が上達した。「湿板写真(ガラス板に塗った薬品が乾くまでに撮影)や、コーヒー現像(コーヒー粉末を使ったフィルム現像)といった専門知識を深められ、より写真が楽しくなったんです」
好きなことが見つからずに悩む高校生には「たくさんの人と接してみてください」とアドバイス。「何かに夢中で頑張る同級生や大人が、皆さんの身近に必ずいます。その方たちと積極的に接してみると、刺激を受けて考えや視野も広がると思います」
ランニングの専門家から指導
ドラマ「アシガール」では、戦国時代にタイムスリップした女子高校生を演じた。高い走力を持つ役柄のため、撮影前にはランニングの専門家から指導を受けた。「腕の振り方、体の重心の動かし方などフォームを改善すると、流れるように走れて、実際に足が速くなったんです」。作中では合戦シーンに注目だという。「私も甲冑(かっちゅう)を着たのですが、身が引き締まり、自分が本当に強くなった気になっていましたね(笑)」
『アシガール』(NHK総合)
戦国時代にタイムスリップした女子高校生の唯(黒島結菜)は、若君・忠清(健太郎)に一目ぼれ。足軽となって若君に近づき、自慢の脚力を武器に若君を守り抜こうと決意する……。9月23日午後6時5分からNHK総合で放送開始(全12回予定)。
- 【くろしま・ゆいな】
- 1997年3月15日生まれ。沖縄県出身。2013年に女優デビュー。主な出演作はドラマ「時をかける少女」、映画「サクラダリセット前篇・後篇」など。18年には映画「プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~」の公開を控える。