東進ハイスクール・東進衛星予備校講師 大岩秀樹先生
使い方次第で学力の伸びが大きく変わる参考書や問題集。なかなか使いこなせず、数だけ増えていく…なんてことになっていませんか? 「時間もお金もムダになった」ということにならないよう、今回は、自分に合った参考書・問題集の選び方、使い方を教えます!
今月のポイント!
❶ 有名な1冊よりレベルに合った1冊を!
❷ 模試で弱点分野を明確に!
❸ 基礎が定着するまでは同じ問題集を繰り返せ!
❶ 自分に合った参考書・問題集の選び方
あなたは参考書や問題集をどのような基準で選んでいるだろうか。おそらく、「有名なもの」「友人が使っていてオススメされたもの」という人が多いのではないだろうか。星の数ほどある参考書や問題集。本当にあなたが手にした1冊は、あなたの学力を伸ばすのに適切な1冊なのだろうか? 今月は、あなたの学力アップに最適な、参考書・問題集の選び方について話をしてみよう。
選ぶ際に最優先したいのは、「レベル」である。レベルが高すぎたり低すぎたりするものは、いくら有名で友人にとっては最高であったとしても、あなたにとっては学習効果の薄い1冊となってしまう。
私のオススメは、7割程度が知っている内容で書かれている参考書・問題集。参考書の主な目的は、知らない知識を埋めること。したがって、5割程度しかわからない参考書を手にすると、関連知識不足などが原因で消化不良に終わることが多い。一方で、問題集の主な目的は、知識の定着・思考力養成。よって、7割程度知っている内容であれば、7割が定着に、3割が思考力養成のトレーニングに大いに役立つであろう。
また、最後までやりきるために、自分にとってちょうどよい厚さ、見やすいレイアウト、親しみやすい表現を使ったものを選ぶことも大切な要素である。
❷ 模試をうまく活用しよう
「模擬試験はある程度、学力を付けてから受けるもの」。あなたはそう思っていないだろうか?しかし実際は、どの知識が定着していて、どの知識が不足しているのかを教えてくれるものであり、「効率よく学力を伸ばす=最短の学習時間で最大限の学力を付ける」ために、どの分野を勉強すべきなのかを明確に教えてくれる重要な資料なのである。つまり、初期段階にこそ、しっかりと受けるべきものが模試なのだ。
模試で明確になった自分の弱点分野を、参考書・問題集を活用して徹底的に克服する。具体的には、参考書を読んで弱点分野をしっかりと理解。さらには、問題集で定着、思考力の養成をしていく。こうすることで、着実に学力を伸ばしていくことができる。参考書・問題集の効率のよい活用のためにも、模試はしっかりと受験しておきたい。
❸ 効果的な問題集の使い方
最後に、「①同じ問題集を繰り返した方がいい」のか、「②違う問題集をどんどん解いた方がいい」のかについて話をしよう。これは、段階的に①から②へと移っていくのがよい。模試で常に6割以上を確保できるようになるまでは、基本となる問題集を何度も繰り返し、基礎力の定着に重きを置く。模試で7割を超える力が付いたら、よりレベルの高い問題集に挑戦し、さらに学力を高めていく。
「模試+参考書・問題集」をうまく使って、理想の学力を手に入れよう!
●おおいわ・ひでき 東進ハイスクール・東進衛星予備校の英語科人気講師。大岩先生の明るく楽しい授業で英語アレルギーを克服する生徒が続出!『大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】』(東進ブックス)、『みんなのセンター教科書英語』(旺文社)など著書も多数。
今月の言葉
「模試で自分を知り、参考書・問題集で自分を高めよ!」