全国の高校生が自作した鉄道ジオラマのできばえを競う「第９回全国高校鉄道模型コンテスト2017」（８月５・６日、東京ビッグサイト）が開催された。「ＨＯゲージ車輌部門」（12校が参加）では、大阪・今宮工科高校鉄道研究部の傍島孝太君（２年）の作品が優秀賞を受賞した。（文・写真　中田宗孝）

傍島君は一人で紙の「３２３系」８両を制作。同部門の最優秀賞を受賞した奈良高専と偶然、同じ電車に。「奈良高専の生徒とお互いの制作過程を話して交流できました」（傍島君）

 

紙で大阪環状線の車輌を制作　

大阪・今宮工科高校鉄道研究部の「ＨＯゲージ車輌部門」での優秀賞獲得は３年連続。昨年に続き、２回目の優秀賞を受賞したのは、部員の傍島孝太君（２年）だ。

今大会では、昨年12月に運行を開始したＪＲ大阪環状線の新型車両「３２３系」を紙で制作した。昨年よりも精巧なＨＯゲージを作るために、学校外の鉄道模型クラブに自主的に参加して腕を磨いた。使用する道具にも注意をはらい、「紙の切り口が荒れないように、必ずきれいな状態の刃を使うようにしました」

自らの技術力を向上させ、３２３系先頭部の複雑な形状もリアルに再現してみせた。約４カ月間かけて制作に没頭したが、作品は未完成だという。「車内の作り込みが納期に間に合わず、とても悔しい。来年も参加して完成品で最優秀賞を狙っていきたい」