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全国高校総体(インターハイ)サッカーの女子決勝が8月2日にエディオンスタジアム広島で行われ、藤枝順心(静岡)が作陽(岡山)を1-0で破り、初優勝を果たした。1月の全国高校女子選手権に続く日本一だ。(文・小野哲史、写真・幡原裕治)
決勝ゴールの上田「とにかく走り回ろうと」
前半は両チームが譲らず、こう着状態が続いた。藤枝順心の多々良和之監督が「相手の良さを出させずに自分たちの形に持っていきたい」と考えていた通り、後半に入ると藤枝順心が徐々にペースをつかんでいく。均衡が破られたのは後半20分、主将のMF福田ゆい(3年)がゴール前に上げたフリーキックを相手GKがファンブル。後半途中から投入されていたMF上田桃(2年)がそれを見逃さず、頭で押し込んだ。
上田は大会直前にメンバー入り。「交代で入るときは緊張しましたが、みんなが疲れていたので、とにかく走り回ろうと思っていました」と、ピッチを縦横無尽に駆け回り、「こんな大舞台で、しかもヘディングでは初めて」という値千金のゴールを突き刺した。その後は相手に1本のシュートも許さず、虎の子の1点を守り切った。
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目標は「2冠」さらなる成長誓う
準決勝で大会4連覇中の優勝候補、日ノ本学園(兵庫)を下した後、チーム内には「ここで満足してはいけない」という空気があったという。大黒柱の福田ゆいは左ひざの故障で万全ではない上、前半の終盤に接触プレーでさらに負傷したが、最後までピッチに立ち続けた。「自分はできることをやろうと。みんながカバーしてくれたので助かりました。支えるつもりが支えてもらった感じです」
今年度の目標は「全国2冠」。その1つをついに手にした藤枝順心は、さらなる成長を誓い、全国高校女子選手権の2連覇を目指す。
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