札幌大通高校(三部制・単位制)では、今年から校内でミツバチを飼育する「ミツバチプロジェクト」を始めた。授業に活用するほか、採取した蜂蜜を独自に商品化してイベントで販売し、大好評だった。 (文・写真 岡崎敏)
北海道の食をテーマにした一大イベント・さっぽろオータムフェスト(9月)で札幌大通高校産の蜂蜜商品を今年初めて販売したところ、期間中の7日間で用意した蜂蜜683個、マカロン500個、ドレッシング400本を完売した。
販売や商品開発は、「総合実践」の授業を選択する生徒が携わった。佐藤朗さん(4年)は「高校生が作った蜂蜜商品がここまで売れるとは」と売れ行きに驚き、前原彩女さん(3年)は、微妙な反応だった市民に「試食してもらうとおいしさが伝わり、うれしかった」と振り返る。ごみを取り除いただけの自然な甘味が好評を得た。
ミツバチは校舎の5階テラス(屋上)で飼われ、ガラス越しに観察できる。マカロンのアイデアが採用された八木菖さん(2年)は、メディア局の一員としてハチの様子を取材してきたが、「ハチの巣が増えていくのは楽しかった」と話す。ピーク時は5万匹以上になった。間近に植物園がある環境が、都会の養蜂には適していた。
飼育を手伝った黒木毅君(3年)は、「耳元でブーンと鳴るので慣れるまで大変でした」と苦戦もしたが、約200㌔もの蜂蜜の収穫が喜びになった。プロジェクトを発案した島田正敏先生は「ミツバチは、環境指針生物といわれ、環境に影響されやすいが、都心は農薬を使う人も少なく、学校で飼えたら面白いと思っていた」と話す。
ミツバチは英語、理科、家庭科、商業・情報、芸術などの授業に活用され、商品のラベルデザインが校内投票で決まるなど活性化にも役立った。同校では、さらに活用の幅を広げる考えだ。